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いまどきのお弔い事情

弔い方、さまざま

現代の生活様式の変化によって、登場してきた新しいお墓の形!「便利」「安い」「安心」などのキーワードで従来型にはないサービスを提供し、高齢化、核家族化、経済事情、利便性などにも対応。そんな新しい弔い方のいくつかを紹介します。

時代が変われば、お墓も変わる

時代にフィットした新しい形のお墓。それは「便利」「安価」「安心」がキーワードとなり、従来型を破ったさまざまな形が話題となっています。
「納骨堂」「自然葬」「手元供養」などが、その代表的な例です。
こういったお墓の形が出てきた背景には、現代人の価値観の多様化、景気悪化、人間関係の希薄化、人口構造の変化など、さまざまな要因があげられます。新しく石のお墓を建立した場合の費用は、全国平均で150万円強といわれています。加えて、墓地の費用も必要です。それよりも経費がかからず、雨の日でもお参りができたり、掃除の必要がなかったりする新しいスタイルのお墓は、時代のニーズを追った結果の産物なのではないでしょうか!

「納骨堂」ってナニ?

「納骨堂」はもともと遺骨をお墓に納骨する前に、一時的に保管をしておくところでした。それが今はお墓の代わりとして、人気が出てきているのです。
その大半はお寺のお堂をロッカーのように仕切り自由に中を飾るタイプですが、さらに斬新に、お参りする仏壇を点灯するタイプ、タッチパネルを操作してモニターで故人の遺影や写真を見るタイプ、インターネットで見ることができるサービス付きのタイプなど、実に趣向を凝らしたサービスもあるのです。

代々受け継いだお墓があるものの、郷里から住まいが遠く離れているなどの理由から、お墓を継承できない方も増えているといいますが、そんな継承の心配が不要なのも「納骨堂」の特徴。価格は10万円という値段で提供しているものを見ることもありますが、50万円前後からと思っておくといいでしょう。天気を気にすることなくお参りができ、そして掃除をする必要もないのです!

納骨堂
新しいコンセプトの納骨堂も。
写真提供:幸國寺瑠璃殿

「自然葬」とは

次にご紹介するのは「自然葬」。一口に「自然葬」といっても、『散骨』『樹木葬』『宇宙葬』とさまざまです。

『散骨』は、映画「世界の中心で、愛を叫ぶ」で散骨をするシーンがあり、ここで理解を深めた人も多いのではないかと思います。この映画の設定はオーストラリアの大地に風にまかせて散骨するというもの。ですが、圧倒的に多いのが海に故人の骨をまくというものです。その他、無人島にまく、山にまくなどの散骨方法もあります。

『樹木葬』はお墓の代わりに桜などの樹木を植え、通常のお墓と同様に骨壷で遺骨を埋葬するというものが一般的です。その場合は、墓埋法が適用されるため、墓地として指定された場所へしか埋葬することができません。

『宇宙葬』は遺骨をカプセルに入れてロケットで打ち上げ、その後地球の軌道を回り、時期がくると大気圏に突入して燃え尽きるというものです。
これら「自然葬」では、死とともに自然に回帰する、という要望が根底にあるといいます。

樹木葬用の墓地
樹木葬用の墓地。
写真提供:
北摂池田メモリアルパーク

「手元供養」というと・・・

「手元供養」はまさしく、自分の手元、つまり自宅に置いて、または身につけて保管するというものです。
遺骨を人工ダイヤモンドにしてアクセサリーを作るもので、0.2カラットで40万円からというものや、ロケットペンダントやタイピンに遺骨を入れてアクセサリーとして持つものなどがあります。手元供養用の小さな骨壷も販売されており、遺骨を分骨し、自宅に保管するケースもあります。故人を身近に感じる、いつも一緒にいられるということで、「手元供養」に行き着く人も多いと聞きました。
現代社会における生活様式の変化、高齢化、核家族化、利便性などに合わせて提供されるこれらのお墓。家族、費用、永続性などの要素も十分に考慮に入れて、新しいお墓の形を検討してみるのもいいかもしれません。

人口ダイヤ
故人のご遺骨の一部を加工。
人口ダイヤ
常に身につけられる
アクセサリーに。
写真提供:LIFE GEM

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