遺言に関する質問- 意識に関わる病気にかかったら?
Q:もし痴呆など意識に関わる病気にかかったら、遺言書は作れないのでしょうか?
回答者:弁護士 園部先生
A:遺言が有効となるためには、遺言能力があることが必要となり、これが認められないと、遺言書を作成しても無効となってしまいます。
遺言能力とは、遺言の内容を理解し、遺言の結果を弁識(べんしき:理解すること)しうるに足る意思能力のことをいいます。
そこで、意識に関わる病気にかかった場合、常に遺言能力が認められなくなるわけではありませんが、病気が重度のものである場合には、遺言能力は認められないでしょう。
もっとも、遺言能力の有無が争われる場合には、それは一律に判断されるのではなく、遺言者の精神状態のほか、遺言内容の難易度、遺言の目的価額の多寡、作成経緯なども総合的に考慮して事案ごとに判断されることになります。